矢を放って一年の悪鬼を祓い、民の無病息災を祈る、格式高い年頭行事。第十四代・仲哀天皇の后である神功皇后が、『稜威(いづ)の高鞆』(弓を射る時に身に付ける武具)を奉納したという故事に由来します。新年の平穏を祈念する破魔弓の行事が変化したものと言われており、沼名前神社の境内にある八幡神社の祭礼として執り行われます。前日祭、当日祭と見事に儀式化されていて、1971年には福山市無形民俗文化財に指定されています。
「ねーろた、ねろた」の掛け声 応える精悍な弓主
「ねーろた、ねろた、親弓がねろた」―これは、弓を番えた弓主を後押しする囃子言葉。当番町内から選ばれた二人の若者が親弓主と子弓主を務めます。
弓主は的を凝然と見据え、心を整えた後、矢を放つ―寒風を切り裂く入魂の一矢。年初の鞆の風物詩です。
◇烏帽子、素襖姿の弓主の凛々しい姿は必見です
よちよち歩きの可愛い矢取り―その姿に満場の微笑
弓主が放った矢を、「矢取り」と呼ばれる幼児が回収してきます。お父さんに手を引かれながら、おぼつかない足取りで矢を運ぶ、稚児化粧の「矢取り」さん。
大きな瓢箪と鈴を身に付けて、重いんだね。よちよちと、その姿に観衆の頬も緩みます。
◇鈴を鳴らしながら一生懸命歩く「矢取り」さん、可愛い!
お弓神事の関連情報
お弓神事の基本情報
2012年1月5日 公開
場所 沼名前神社
日程 2月第2日曜日 ※本来は、旧暦1月7日に行なわれる神事
時間 14:00~
費用 入場無料
お問い合わせ沼名前神社 TEL:084-982-2050
その他福山市無形民俗文化財
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