奈良時代に編集された「風土記」の逸話が年中行事となり今日に残ったもの、それがこの『茅の輪くぐり』です。

“みな月のなごしのはらへする人は千とせの命のぶといふなり”—平安時代の『拾遺和歌集』でも詠われる「夏越の祓え(なごしのはらえ)」。この神事は毎年6月30日に各地の神社で行われ、茅の輪をくぐることで、穢れや災厄を祓い清めてくれると信じられています。

「祇園さん」と親しまれる鞆の浦の沼名前神社も、毎年、多くの参拝客で賑わいます。

日本最古の謂われを持つ、由緒正しき伝統行事

「茅の輪」の由来は1300年前の文献『備後国風土記』に見られます。
旅中の武塔神(スサノオノミコト)を、蘇民将来(そみんしょうらい)が貧しいながらも精一杯饗応したことで、茅の輪による疫病祓いの“すべ”を授けられたという逸話。歴史の重みを感じます。

◇古式に則った鞆の浦の『茅の輪くぐり』の様子―粛然

鞆の家々の軒先にも、小さな茅の輪が

鞆の浦の町を歩いていると、そこかしこの家の軒先に小さな茅の輪が掛けられていることに気が付くはず。沼名前神社の『茅の輪神事』が終わった後に、その茅の輪の一部をもらって帰り、小さな輪に編み直して飾っているんですね。
鞆の浦に伝わる厄除けです。

◇玄関先の小さな茅の輪 小さくても家内の安全守ります

茅の輪(ちのわ)くぐりの関連情報

茅の輪(ちのわ)くぐりの基本情報

2012年6月5日 公開

場所 沼名前神社

日程 2017年6月30日

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