分かる!ノーマライゼーション

ブラインドサッカーとともに
共生社会を推進する企業

2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が近づくにつれ、障がい者スポーツに関心が集まっていますが、
なかでも障がいがなくても楽しめるブラインドサッカーが注目されています。
ルールや障がい者ならではのコミュニケーションを社員教育に取り入れたり、ブラインドサッカーの機会拡大をサポートしたり…
そんな企業の動きをご紹介します。

ブラインドサッカーでコミュニケーション能力向上を目指す

ブラインドサッカーは音だけで意思疎通を図り、目的を達成する高度な技術が求められるスポーツ。この意思疎通技術の高さに着目して、社員教育に役立てようという企業があります。 練習に参加したのは、丸井グループ、アクサ生命保険株式会社などいくつもの企業の社員たち。しかし、アイマスクをして準備体操を開始すると、目が見えない状態ではどのような運動を行っているのか、わからない人がほとんど。一見かんたんそうに思えることも相手にわかるように伝えることに苦労し、いかに普段は視覚に頼って情報を得ているのか痛感するようです。この苦労を実感できるのは練習を体験した人ならではのことでしょう。
さらに試合になれば、チームメイトはどのような情報を必要としているか、受け取った側はそれをどのように処理すべきなのか、瞬時に判断して行動していかなくてはなりません。的確に情報発信するのは至難の技。練習に参加した社員たちは必死に考えながら、仲間との団結を深めていたようです。
このような練習を通じて、チームビルディングやコミュニケーション能力向上に役立てようという企業が増えています。さらに参加者の中には、研修で障がい者スポーツやブラインドサッカーの魅力に惹きつけられ、自ら積極的に参加する人もいるそうです。

応援を盛り上げる「観戦」できるスピーカー

ブラインドサッカーは、視覚障がいのある人もない人も、アイマスクをつけてサッカーを行います。視覚が使えない分、音の出るボールを使用したり、攻守の指示を出すガイドを設定するなど、音でコミュニケーションを取るのが特徴です。そのため、試合中は「ゴールが決まった」などの場合を除いて、応援の声を出したり、拍手したりといったことはマナー違反。ただ、ゴールが決まったら観客も大きな拍手や声援で得点したことを選手に知らせます。ただ、視覚に障がいのある観戦者は試合の様子が見られないので、テレビ中継のような解説の放送ができればいいのですが、音を発するのは試合を妨害してしまうため実際には放送できない状態です。
そこで日本の三菱電機株式会社によって開発が進められているのが、ブラインドサッカーに適応する指向性スピーカー。位置が少しずれるだけで、音が聞こえたり、聞こえなかったりするものです。ピッチでは音は聞こえないけれど、観客席だけには聞こえるようにすることができます。観戦者全員が等しく解説を聞くことができ、目の前で繰り広げられている試合を「見ているように」楽しめるはず。
三菱電機では現在、この指向性スピーカーの実用化を目指して開発を進め、ブラインドサッカーの人気が広まることをサポートしています。ブラインドサッカーを楽しむ観戦者が増えれば、この指向性スピーカーの活用の場も広がっていくことが期待できます。何より多様な人々が共に生きる社会を支える企業としての役割を果そうという姿勢を示せる機会につながります。

ノーマライゼーションに取り組む企業が続く

このほかにも、ノーマライゼーションをサポートしようという企業が出てきています。
全日本空輸株式会社は、ブラインドサッカーの日本代表選手らが国際親善試合に参加する際に海外への渡航をサポートを始めました。海外で選手たちが活躍するにつれ、選手のユニフォームに掲げられた社名を通じて、全日空がノーマライゼーションに取り組んでいることを世界にアピールできるからです。
また、アクサ生命保険は自社がスポンサーとなってブラインドサッカーの日本選手権「ブレイブカップ」を開催するなど、機会拡大に積極的。味の素株式会社も自社の栄養食品製品で日本選手の健康サポートに取り組んでいます。
いくつもの企業は、もともと積極的に共生社会を広げることに取り組んでいます。これらの取り組みは自社の方針をアピールするだけでなく、社会にノーマライゼーションの特徴を知ってもらうことにつなげているのです。このようにして、ノーマライゼーションは一歩ずつ前へ動き出しているのです。

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