分かる!ノーマライゼーション

教育界の分厚い人材が支える
インクルーシブ教育

北欧フィンランドは、ノーマライゼーションの育ての父ニィリエの母国スウェーデンの隣国。
そのフィンランドで、インクルーシブ教育(インクルージョン教育、統合教育)が進められています。
インクルーシブ教育とは、いわば教育のノーマライゼーションですが、どのような背景で発達してきたのでしょうか。

国全体で教育に注力

教師の育成にも取り組む

フィンランドは以前から、いわゆる「落ちこぼれをつくらない」という政策を進めてきました。そして、1990年代に入ると特別養護学校を減らし、通常の学校の特別支援学級を増やしてきました。その際、国は義務教育の学齢に達した「すべての」子どもに教育を行うため、基礎教育やその訓練の専門家を派遣したり、教師に対する専門的な訓練・教育方法を講義したりといったことを可能にしてきたという背景があります。

厚い教師層を基礎に柔軟なサポートを実現

その後2010年、障がいの有無にかかわらず、すべての子どもが最寄りの通常の学校に通えるようにし、義務教育を受けられるように決めました。子どもは、年齢と能力に応じて提供され、遅れや障がいがあればサポートを受けられるようにするといったことが定められました。障がいのある子どもも障がいのない子どもも同じ学校、同じ教室で授業を受けるという取り組みが始まりました。 この取り組みを実施するには、特別教育や訓練などについて柔軟に対応できるスキルのある人材が豊富に必要です。しかし、すべての子どもの学習目標達成を保障しようと、「落ちこぼれを作らないようにしよう」と、歴史的に教育へ力を注いできたフィンランドは、教育のための人材を育てることにも力を入れてきた歴史があります。それが、教育のノーマライゼーションであるインクルーシブ教育という取り組みを進める礎となっています。

参考文献・出典

世界経済フォーラム https://www.weforum.org
欧州特別・インクルーシブ教育機関 https://www.european-agency.org

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