分かる!ノーマライゼーション

さいたま市の制定した
ノーマライゼーション条例

さいたま市は2011年、全国の政令指定都市に先がけて「ノーマライゼーション条例」を制定しました。
障がいのある人への差別や虐待をなくして、障がいの有無にかかわらず誰もがともに普通の暮らしを送れるようにするためです。
それによってどのようなことが行われているのでしょうか。

ノーマライゼーションは福祉だけでなく人権の問題

さいたま市はまず、障がいを福祉のテーマではなく人権のテーマとして捉え、社会の障壁と偏見が障がいを生み出しているという発想の転換を促す「世界人権宣言」、「国連障害者の権利条約」の考え方に着目しました。障がい者が、隔離されたり差別されることによって長期的に施設に収容される結果につながっている現在の日本の多くの状況を打開しようとしたのです。 そのためには、「人々の固定観念を取り除いて課題認識を共有すること」、「情報・建物・手話通訳者・情報通信技術へのアクセスのしやすさ」、「障害のある人が自立した生活を送れる環境」が必要と考えました。
そして条例を制定するため条例検討専門委員会や条例について話し合う100人委員会を設置し、ノーマライゼーション条例を制定したのです。

イベント開催などで周知拡大を進める

さいたま市では、ノーマライゼーション条例を定めた理念や方向性として、差別をなくして誰もが権利を保障され共に生活できることを目指しています。そのため、対象は障害者手帳を持っている人だけでなく、あらゆるところで誰もが差別されないように取り組んでいます。例えば、障がいがあるといった理由で、役所や商業店舗で不当な扱いをしないことはもちろん、障がいがある人でも、外出しやすいような配慮、コミュニケーションが取りやすい配慮、つまり合理的配慮を社会全体に求めています。
さらに教育では、障がいがあるかないかを見極めて、障がいがあると通常の学校に通わせずに別の学校に行かせる「分離教育」をやめました。その代わりに、学校では、サポートする支援員が教室に入れるようにしたり、授業や試験でパソコン入力などを許可したりと柔軟な対応ができるようにしました。
また、どのようなことが差別や虐待にあたるのかをまとめた冊子を作成したり、ノーマライゼーションを紹介するイベントを開催したり、市民に広く周知を図る活動を進めています。
さいたま市ではこのようにして、ノーマライゼーションを実現していこうとしています。全国初のノーマライゼーション条例を生かして誰もが住みやすくすることで、どこよりも魅力的な街になることを目指しているのです。

参考文献・出典

さいたま市ノーマライゼーション条例Web http://www.city.saitama.jp/002/003/004/001/

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