ブラインドサッカーでコミュニケーション能力向上を目指す
ブラインドサッカーは音だけで意思疎通を図り、目的を達成する高度な技術が求められるスポーツ。この意思疎通技術の高さに着目して、社員教育に役立てようという企業があります。 練習に参加したのは、丸井グループ、アクサ生命保険株式会社などいくつもの企業の社員たち。しかし、アイマスクをして準備体操を開始すると、目が見えない状態ではどのような運動を行っているのか、わからない人がほとんど。一見かんたんそうに思えることも相手にわかるように伝えることに苦労し、いかに普段は視覚に頼って情報を得ているのか痛感するようです。この苦労を実感できるのは練習を体験した人ならではのことでしょう。
さらに試合になれば、チームメイトはどのような情報を必要としているか、受け取った側はそれをどのように処理すべきなのか、瞬時に判断して行動していかなくてはなりません。的確に情報発信するのは至難の技。練習に参加した社員たちは必死に考えながら、仲間との団結を深めていたようです。
このような練習を通じて、チームビルディングやコミュニケーション能力向上に役立てようという企業が増えています。さらに参加者の中には、研修で障がい者スポーツやブラインドサッカーの魅力に惹きつけられ、自ら積極的に参加する人もいるそうです。
応援を盛り上げる「観戦」できるスピーカー
ブラインドサッカーは、視覚障がいのある人もない人も、アイマスクをつけてサッカーを行います。視覚が使えない分、音の出るボールを使用したり、攻守の指示を出すガイドを設定するなど、音でコミュニケーションを取るのが特徴です。そのため、試合中は「ゴールが決まった」などの場合を除いて、応援の声を出したり、拍手したりといったことはマナー違反。ただ、ゴールが決まったら観客も大きな拍手や声援で得点したことを選手に知らせます。ただ、視覚に障がいのある観戦者は試合の様子が見られないので、テレビ中継のような解説の放送ができればいいのですが、音を発するのは試合を妨害してしまうため実際には放送できない状態です。
そこで日本の三菱電機株式会社によって開発が進められているのが、ブラインドサッカーに適応する指向性スピーカー。位置が少しずれるだけで、音が聞こえたり、聞こえなかったりするものです。ピッチでは音は聞こえないけれど、観客席だけには聞こえるようにすることができます。観戦者全員が等しく解説を聞くことができ、目の前で繰り広げられている試合を「見ているように」楽しめるはず。
三菱電機では現在、この指向性スピーカーの実用化を目指して開発を進め、ブラインドサッカーの人気が広まることをサポートしています。ブラインドサッカーを楽しむ観戦者が増えれば、この指向性スピーカーの活用の場も広がっていくことが期待できます。何より多様な人々が共に生きる社会を支える企業としての役割を果そうという姿勢を示せる機会につながります。
ノーマライゼーションに取り組む企業が続く
このほかにも、ノーマライゼーションをサポートしようという企業が出てきています。
全日本空輸株式会社は、ブラインドサッカーの日本代表選手らが国際親善試合に参加する際に海外への渡航をサポートを始めました。海外で選手たちが活躍するにつれ、選手のユニフォームに掲げられた社名を通じて、全日空がノーマライゼーションに取り組んでいることを世界にアピールできるからです。
また、アクサ生命保険は自社がスポンサーとなってブラインドサッカーの日本選手権「ブレイブカップ」を開催するなど、機会拡大に積極的。味の素株式会社も自社の栄養食品製品で日本選手の健康サポートに取り組んでいます。
いくつもの企業は、もともと積極的に共生社会を広げることに取り組んでいます。これらの取り組みは自社の方針をアピールするだけでなく、社会にノーマライゼーションの特徴を知ってもらうことにつなげているのです。このようにして、ノーマライゼーションは一歩ずつ前へ動き出しているのです。
ノーマライゼーションの事例
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デンマークの高齢者向け在宅ケア
ノーマライゼーションという考え方が生まれた国デンマーク。デンマークでは、高齢者福祉において、在宅ケアおよび地域居住という概念があり、実践されています。在宅ケアや地域居住は、個々に適したサービスを提供し、少しでも自立を促そうというノーマライゼーションの理念に則った考え方。その例として、ノーマライゼーション先進国の地域居住をご紹介します。
2016年10月5日 公開
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スウェーデンの認知症高齢者のためのグループホーム
スウェーデンは、個人による自己決定を何よりも尊重しています。自立して生きることが社会で大きな意味を持ち、当たり前となっているスウェーデンで考案されたのが、グループホームです。グループホームは、主に障害があったり認知症であったりするなど、継続的で長期的なケアが必要な人のための施設。ノーマライゼーションが当たり前になっているスウェーデンでは、グループホームにどのような考え方が反映されているのでしょうか。
2016年10月5日 公開
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認知症高齢者向け施設のあり方
スウェーデンでは、グループホームは障害があったり、認知症であったりと継続的で24時間のケアが必要な人が入居対象となっています。どのように、認知症などの高齢者が隔離などによって差別されるのを防ぎ、普通の暮らしをするというノーマライゼーションの理念を実現しているのでしょうか。スウェーデンのグループホームの仕組みはどのようなものでしょうか。
2016年10月12日 公開
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ノーマライゼーションを実現するスウェーデンのグループホーム
ノーマライゼーション先進国の一つスウェーデンで生まれた高齢者向け施設のグループホーム。日本のグループホームと比べて1施設の居住者は少なくありません。それでも、バリアフリーやユニバーサルデザインの施設を活用し、個人の自主性を重んじることで、ノーマライゼーションを実現しています。そんなグループホームの具体例を見ていきたいと思います。
2016年10月12日 公開
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教育界の分厚い人材が支えるインクルーシブ教育
北欧フィンランドは、ノーマライゼーションの育ての父ニィリエの母国スウェーデンの隣国。そのフィンランドで、インクルーシブ教育(インクルージョン教育、統合教育)が進められています。インクルーシブ教育とは、いわば教育のノーマライゼーションですが、どのような背景で発達してきたのでしょうか。
2016年10月12日 公開
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フィンランドのインクルーシブ教育
北欧フィンランドで進められているインクルシーブ教育。インクルージョン、統合教育とも呼ばれています。インクルーシブ教育は、学習のための障がいがあっても、障がいのない子どもたちと一緒の教室で勉強するというもの。フィンランドの小学校の授業で実際に行なわれているインクルーシブ教育の取り組みの具体的な事例を紹介します。
2016年10月12日 公開
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インクルーシブ教育と特別支援施設
教育のノーマライゼーションである「インクルーシブ教育」。インクルージョン教育や統合教育とも言われます。世界各国、各地でさまざまな取り組みが行われています。教育先進国イギリスでは、教育制度の方針としてのインクルーシブ教育を、「特別な教育的支援の必要性がある子どもが、可能な限り通常の学校で教育を受けるべきであるということ」だけでなく、「カリキュラムや学校生活において仲間と一緒に充分に活動すること」と位置づけています。このようなイギリスの教育システムや、さらに特別支援学校の状況とは…。
2016年10月12日 公開
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さいたま市の制定したノーマライゼーション条例
さいたま市は2011年、全国の政令指定都市に先がけて「ノーマライゼーション条例」を制定しました。障がいのある人への差別や虐待をなくして、障がいの有無にかかわらず誰もがともに普通の暮らしを送れるようにするためです。それによってどのようなことが行われているのでしょうか。
2016年10月12日 公開
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さいたま市の事例 - ブラインドサッカーの国際試合開催
2011年に、全国の政令指定都市の中で先がけて「ノーマライゼーション条例」を制定した埼玉県さいたま市がブラインドサッカーの国際親善試合「さいたま市ブラインドサッカーノーマライゼーションカップ」を開催しています。視覚障がいのある人とない人が共にスポーツを楽しむ機会の拡大を後押ししています。
2016年10月12日 公開
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ノーマライゼーションの考えと東松山市の学校教育
埼玉県東松山市は、最近では2016年にノーベル賞(物理学賞)を受賞した梶田隆章の出身地として話題になった街。その東松山市は2007年に、就学支援委員会(就学指導委員会)を廃止しました。委員会を廃止したのは全国で初めてですが、障害がある子どもでも、子ども本人や保護者が望む地元の学校に通えるようにする取り組みです。この結果として、どのような変化が出てきているのでしょうか。
2016年10月13日 公開