ノーマライゼーションは福祉だけでなく人権の問題
さいたま市はまず、障がいを福祉のテーマではなく人権のテーマとして捉え、社会の障壁と偏見が障がいを生み出しているという発想の転換を促す「世界人権宣言」、「国連障害者の権利条約」の考え方に着目しました。障がい者が、隔離されたり差別されることによって長期的に施設に収容される結果につながっている現在の日本の多くの状況を打開しようとしたのです。 そのためには、「人々の固定観念を取り除いて課題認識を共有すること」、「情報・建物・手話通訳者・情報通信技術へのアクセスのしやすさ」、「障害のある人が自立した生活を送れる環境」が必要と考えました。
そして条例を制定するため条例検討専門委員会や条例について話し合う100人委員会を設置し、ノーマライゼーション条例を制定したのです。
イベント開催などで周知拡大を進める
さいたま市では、ノーマライゼーション条例を定めた理念や方向性として、差別をなくして誰もが権利を保障され共に生活できることを目指しています。そのため、対象は障害者手帳を持っている人だけでなく、あらゆるところで誰もが差別されないように取り組んでいます。例えば、障がいがあるといった理由で、役所や商業店舗で不当な扱いをしないことはもちろん、障がいがある人でも、外出しやすいような配慮、コミュニケーションが取りやすい配慮、つまり合理的配慮を社会全体に求めています。
さらに教育では、障がいがあるかないかを見極めて、障がいがあると通常の学校に通わせずに別の学校に行かせる「分離教育」をやめました。その代わりに、学校では、サポートする支援員が教室に入れるようにしたり、授業や試験でパソコン入力などを許可したりと柔軟な対応ができるようにしました。
また、どのようなことが差別や虐待にあたるのかをまとめた冊子を作成したり、ノーマライゼーションを紹介するイベントを開催したり、市民に広く周知を図る活動を進めています。
さいたま市ではこのようにして、ノーマライゼーションを実現していこうとしています。全国初のノーマライゼーション条例を生かして誰もが住みやすくすることで、どこよりも魅力的な街になることを目指しているのです。
参考文献・出典
さいたま市ノーマライゼーション条例Web http://www.city.saitama.jp/002/003/004/001/
ノーマライゼーションの事例
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デンマークの高齢者向け在宅ケア
ノーマライゼーションという考え方が生まれた国デンマーク。デンマークでは、高齢者福祉において、在宅ケアおよび地域居住という概念があり、実践されています。在宅ケアや地域居住は、個々に適したサービスを提供し、少しでも自立を促そうというノーマライゼーションの理念に則った考え方。その例として、ノーマライゼーション先進国の地域居住をご紹介します。
2016年10月5日 公開
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スウェーデンの認知症高齢者のためのグループホーム
スウェーデンは、個人による自己決定を何よりも尊重しています。自立して生きることが社会で大きな意味を持ち、当たり前となっているスウェーデンで考案されたのが、グループホームです。グループホームは、主に障害があったり認知症であったりするなど、継続的で長期的なケアが必要な人のための施設。ノーマライゼーションが当たり前になっているスウェーデンでは、グループホームにどのような考え方が反映されているのでしょうか。
2016年10月5日 公開
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認知症高齢者向け施設のあり方
スウェーデンでは、グループホームは障害があったり、認知症であったりと継続的で24時間のケアが必要な人が入居対象となっています。どのように、認知症などの高齢者が隔離などによって差別されるのを防ぎ、普通の暮らしをするというノーマライゼーションの理念を実現しているのでしょうか。スウェーデンのグループホームの仕組みはどのようなものでしょうか。
2016年10月12日 公開
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ノーマライゼーションを実現するスウェーデンのグループホーム
ノーマライゼーション先進国の一つスウェーデンで生まれた高齢者向け施設のグループホーム。日本のグループホームと比べて1施設の居住者は少なくありません。それでも、バリアフリーやユニバーサルデザインの施設を活用し、個人の自主性を重んじることで、ノーマライゼーションを実現しています。そんなグループホームの具体例を見ていきたいと思います。
2016年10月12日 公開
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教育界の分厚い人材が支えるインクルーシブ教育
北欧フィンランドは、ノーマライゼーションの育ての父ニィリエの母国スウェーデンの隣国。そのフィンランドで、インクルーシブ教育(インクルージョン教育、統合教育)が進められています。インクルーシブ教育とは、いわば教育のノーマライゼーションですが、どのような背景で発達してきたのでしょうか。
2016年10月12日 公開
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フィンランドのインクルーシブ教育
北欧フィンランドで進められているインクルシーブ教育。インクルージョン、統合教育とも呼ばれています。インクルーシブ教育は、学習のための障がいがあっても、障がいのない子どもたちと一緒の教室で勉強するというもの。フィンランドの小学校の授業で実際に行なわれているインクルーシブ教育の取り組みの具体的な事例を紹介します。
2016年10月12日 公開
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インクルーシブ教育と特別支援施設
教育のノーマライゼーションである「インクルーシブ教育」。インクルージョン教育や統合教育とも言われます。世界各国、各地でさまざまな取り組みが行われています。教育先進国イギリスでは、教育制度の方針としてのインクルーシブ教育を、「特別な教育的支援の必要性がある子どもが、可能な限り通常の学校で教育を受けるべきであるということ」だけでなく、「カリキュラムや学校生活において仲間と一緒に充分に活動すること」と位置づけています。このようなイギリスの教育システムや、さらに特別支援学校の状況とは…。
2016年10月12日 公開
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さいたま市の事例 - ブラインドサッカーの国際試合開催
2011年に、全国の政令指定都市の中で先がけて「ノーマライゼーション条例」を制定した埼玉県さいたま市がブラインドサッカーの国際親善試合「さいたま市ブラインドサッカーノーマライゼーションカップ」を開催しています。視覚障がいのある人とない人が共にスポーツを楽しむ機会の拡大を後押ししています。
2016年10月12日 公開
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ブラインドサッカーとともに共生社会を推進する企業
2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が近づくにつれ、障がい者スポーツに関心が集まっていますが、なかでも障がいがなくても楽しめるブラインドサッカーが注目されています。ルールや障がい者ならではのコミュニケーションを社員教育に取り入れたり、ブラインドサッカーの機会拡大をサポートしたり…そんな企業の動きをご紹介します。
2016年10月13日 公開
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ノーマライゼーションの考えと東松山市の学校教育
埼玉県東松山市は、最近では2016年にノーベル賞(物理学賞)を受賞した梶田隆章の出身地として話題になった街。その東松山市は2007年に、就学支援委員会(就学指導委員会)を廃止しました。委員会を廃止したのは全国で初めてですが、障害がある子どもでも、子ども本人や保護者が望む地元の学校に通えるようにする取り組みです。この結果として、どのような変化が出てきているのでしょうか。
2016年10月13日 公開