安国寺は、南北朝動乱の戦死者を弔うために、足利尊氏・直義兄弟が国ごとに造ったお寺です。この鞆の浦にある「備後安国寺」も、「1339(暦応2)年に尊氏が建立した」という『鞆浦志』(1748年)の記載から、室町時代の建物と考えられていました。
しかし、後の調査によって鎌倉時代に、金宝寺として創建されたものと判明。歴史も深く、県史跡の枯山水や国重文の釈迦堂など見所も満載の備後安国寺。第2土曜に開かれる座禅会も人気です。
じっくり見て回りたい、文化財溢れる古刹
国の重要文化財「安国寺釈迦堂」を筆頭に、作庭家・重森三玲が復元した枯山水庭園や本尊の「阿弥陀三尊像」、それに、「法燈国師坐像」など、文化財の宝庫です。
安国寺恵瓊(えけい)が手を加えた枯山水庭園を眺めながら、「禅の心」を感じてみてはいかが。
◇安国寺・枯山水庭園を臨む―時の流れが緩やかに…
当時の鞆の浦の商人の財力を表す、贅沢な唐様建築
国重文の「釈迦堂」の軒には唐様(からよう)の組物が見られます。組物というのは、軒を支える部材のことです。唐様建築は材料が2~3倍かかるものなので、財産家しか造れないんです。
当時の鞆の浦の商人が、いかに財力を持っていたかが分かりますね。
◇高級感と異国情緒に溢れる唐様(禅宗様)建築の釈迦堂
他にもまだまだある、備後安国寺のこんな見どころ
安国寺は桜でも名高い。花咲く季節を迎えると、釈迦堂前の桜は美しくライトアップされます。「阿弥陀如来立像」と「法燈国師坐像」も、桜の後ろで優しく照らされ、その光景はまさに幽玄。
鞆の浦の花見のベストスポットのひとつです。
◇安国寺の夜桜ライトアップ―、その美しさ、幽妙
安国寺の基本情報
2012年7月8日 公開
住所 広島県福山市鞆町後地990-1
営業時間
8:00〜17:00
※桜の時期は22:00までライトアップ
※毎月第2土曜に座禅会あり
料金 大人150円 大学生100円 高校生以下無料
お問い合わせTEL:084-982-3207
その他・臨済宗
・釈迦堂、木造阿弥陀三尊立像、木造法燈国師坐像 (国指定重要文化財)
・本堂跡、枯山水(広島県指定史跡)
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