鞆城跡のこんもりとした高台の南西あたりに位置する「鶴林山地蔵院」。この地蔵院は、慶長年間の後半に廃城となった鞆城の二ノ丸の跡地に再建された、真言宗のお寺です。1408(応永15)年に宥真法師によって中興され、室町時代には将軍家の祈願所とされていたようです。金色に輝く本堂には、ご本尊である秘仏地蔵菩薩が鎮座。中国地蔵尊霊場第八番として信仰を集めています。また、山門や本堂脇には達筆なご説法が貼られており、じわっと心に染み渡ります。
全国でもここだけ!歯をのぞかせた観音様?
地蔵院には全国で唯一、口元に歯をのぞかせている「木造十一面観音立像」が安置されています。左足を一歩前に踏み出し、今まさに苦しむ人びとを救いに行かんとする構え。尊いです。また金剛健歯観音とも呼ばれ、歯の健康を守る珍しい仏様として全国より信仰を集めています。
◇わずかに歯を覗かせる観音様―衆生を慈しむ表情です
静謐な中にやすらぎあり―、静かに佇む十三仏
本堂の横には「仏庭十三仏・やすらぎ苑」があります。個性溢れる石仏がお祀りされていて、なんとも不思議な雰囲気を感じます。鞆の浦で見つけた、霊妙な地。ぜひ、この空気に触れてみて下さいね。…さて余談。この境内には袈裟姿のタヌキの置物もあるんですよ。さあ、訪ねて見つけてみよう!
◇集まる石仏―梵字も相俟って、雰囲気あります
地蔵院の基本情報
2012年7月18日 公開
住所 広島県福山市鞆町後地1323-1
料金 境内無料
お問い合わせTEL:084-982-3796
その他・真言宗
・本尊/地蔵菩薩
・木造十一面観音立像(広島県指定重要文化財)
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