鞆の浦で最も古く、そして最も多難なお寺・「静観寺」。創建は806(大同元)年、最澄によると伝えられています。当時は、7000坪の大敷地に七堂伽藍が建ち並んで、五重塔も天を衝き、たいへんに栄えていたといいます。
ところが、相次ぐ戦乱や火災によって、多くの文化財は焼失。残念ながら現在では往時の栄華を物語るものは残されていません。
それでも、この「静観寺」はしっかりと命脈を保ち、今でも、鞆一番の古刹として人びとに愛され続けているのです。時が止まったような、ほっと落ち着けるお寺さんです。
松上げ地蔵尊、奇跡の脱出劇
江戸中期、「静観寺」で大火災が発生しました。風強く、火の回りが早すぎて、時のご住職は身一つで避難。ああ、ご本尊を焼いてしまった…そう嘆きながら、ふと庭の松の木を見上げてみると、何とそこには、ご本尊である「お地蔵さん」が座っているではありませんか!
そういう顛末から、ご本尊は「松上げ地蔵」と称され、現在でも守りの菩薩として信仰を集めているのです。
◇ご本尊の頬には、その時のヤケドの痕が残っているとか…
鞆ねこも寄りつく、ご住職のお人柄
この「静観寺」には、積もった歴史以外にも、注目ポイントがあります。それが、ご住職のざっくばらんな“鞆語り”。ご住職が洒脱な口調で、鞆の歴史を教えてくれるんです。そのご住職のお人柄は、人間だけでなく、ねこも呼びよせちゃう。にゃあと鳴いて、いつの間にか境内に居ついてしまった、このねこ君。きみにも、ここは居心地がいいんだね。
◇静観寺、鞆ねこもお気に入りの癒しのスポットです
静観寺の基本情報
2012年7月27日 公開
住所 広島県福山市鞆町後地1199
料金 境内無料
お問い合わせTEL:084-982-3019
その他・臨済宗
・本尊/松上げ地蔵尊
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