鞆の浦から西に4キロほど行った沼隈半島の南端。その阿伏兎岬の突端に挑むようにして鎮座するのが、臨済宗のお寺・「阿伏兎観音」です。

1570〜73年(元亀年間)に、毛利輝元によって創建された観音堂で、国の重要文化財に指定されています。急峻な岩肌に、青々と飛沫をぶつける瀬戸内の海。その荒々しい自然の中にあって、この異国情緒漂う朱塗りの観音堂が、妙に調和して見えるから不思議です。

その美しさは古くから名高く、安藤広重の浮世絵や、志賀直哉の小説「暗夜行路」の中でも取り上げられているほど。一度は訪れてみたい名所です。

桃山様式の優美さを湛える磐台寺の客殿

境内の中に入ると、まず見えてくるのが広島県の重要文化財に指定されている「磐台寺客殿」。桃山様式の禅宗方丈建築で、意匠も実に優美です。さあ、客殿を堪能したら、裏手から観音堂へと続く石段を上りましょう。朱塗りの柱に囲まれた階段廊下を上へと進むにつれて、いよいよ空気は静謐さを増していきます。

◇客殿の優美な沈黙に、雄々しい波音が溶け合います

おっぱいがいっぱい

階段を上りきると、観音堂に到着。外側の欄干へと顔を出してみると、瀬戸内の海が間近に眺められます。その際、ちょっとひやり、床板が傾いているのでご注意を!一方、観音堂の中を眺めると、そこには、壁一面に、奉納された“おっぱい絵馬”が飾られています。安産や子宝を願う女性たちの想いには、胸を打たれますね。

◇いっぱいの“おっぱい絵馬”―最初はびっくりするかな?

阿伏兎観音/磐台寺観音堂の基本情報

2012年7月26日 公開

住所 広島県福山市沼隈町能登原阿伏兎1427-1

営業時間 7:00〜17:00

休み年中無休

料金 大人100円 /子供50円

お問い合わせTEL:084-987-3862

その他・本尊/十一面観音
・観音堂(国指定重要文化財)
・磐台寺客殿(広島県指定重要文化財)

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