1565(永禄8)年に創建された阿彌陀寺は、鞆の人たちからは「あみだいじ」と呼ばれ親しまれています。
江戸時代の前〜中期、10代目・雲洞上人の頃に中興を見ました。山門はとても立派で、鞆の浦の中でも随一。
その山門の右の方に、「鞆の津塔」と呼ばれる江戸時代前期の石塔が12基並んでいます。これは五輪塔と宝篋印塔(ほうきょういんとう)を合わせた鞆独特のお墓です。お大名でなければお墓が建てられなかった時代に、庶民がこれだけの供養塔を造るんですから、鞆商人の財力のすごさが窺い知れるというものですね。
鞆の大仏、きらきらひかる
本堂には、「鞆の大仏」と称される「丈六阿彌陀如来坐像」が鎮座しています。光背までの高さは、なんと約5メートル。
中興第10世の雲洞上人が現(うつつ)に阿彌陀如来のお姿を拝み、その尊容を京都の仏師・安清に伝え、5年かけて完成させたものです。きらきらひかる、その威容、息を呑みます。
◇一流の名工の作、そこに漂う心地よい緊張
鞆にもふたつだけ―江戸時代の梵鐘
境内には釣鐘もあります。この梵鐘は、1652(慶安5)年に「有磯町奈良屋」によって寄進されたものです。
江戸時代から残っている梵鐘は、鞆でもとても珍しく、ここ阿彌陀寺のほかには、明圓寺に残るばかり。緑青の深い風合いが、歴史の深さを雄弁に物語っています。
◇美しい釣鐘、どんな深い声を出してくれるのかな
阿彌陀寺の基本情報
2012年7月30日 公開
住所 広島県福山市鞆町後地1345
料金 境内無料
お問い合わせTEL:084-982-3320
その他・浄土宗
・本尊/丈六阿彌陀如来坐像(「鞆の大仏」)
・鞆の津塔
・梵鐘
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