むろの木歌碑

2013年1月30日

Photo:Nipponia Nippon

「対潮楼」下にある、

「むろの木歌碑」に刻まれた歌—、



  「吾妹子之見師 鞆浦之天木香樹者

   常世有跡見之人曽奈吉」





太宰府長官だった大伴旅人は、

730(天平2)年に、帰京の途につきました。



そして、瀬戸内海を東へ東へ向かう中、

鞆の浦の地を通ります。



そこで、「むろの木」を目にし、

亡き妻を思って詠った歌には—、



  「我妹子が 見し鞆の浦の むろの木は

   常代にあれど 見し人ぞなき」





かつて太宰府に下る際に、鞆の浦の地にて、

この「むろの木」を眺めたその妻も、

いまや、この世にはいない。





旅人の、最愛の妻を想う、その気持ちは深く深く—。